今日のまめちしき
一段落は「いちらんだく」
「これが、あなたの今の実力よ」【とめはねっ!/河合克敏】
あと3日!
書道なのに熱血という斬新コンセプトの「とめはねっ!」ヒロインは、柔道日本一の腕前を持つのに書道部を兼部するという変わり種。というのも自分の字の汚さにコンプレックスを持っていて、奇麗な字を自分で書けるようになりたいという強い気持ちがあるから、時には大事な柔道の試合前に練習を飛び出して書道の練習をするくらい、書道にも前向きに取り組んでいるのです。
そんなヒロインも2年生になり、自分を慕う1年生が柔道部だけでなく書道部にも追っかけ入部。しかしその1年生は子供の頃に書道をたしなんでいたこともあり、ヒロインが苦労した「永」の字もたやすくクリアしてしまう。あせるヒロイン。
そんな1年生へ次に課されたのが、お手本を忠実に真似して書く「臨書」なのだけれど、さらさらっと書き上げた1年生に対して部長は「これはだめ!」と厳しく指導。そしてヒロインに「お手本を書いてあげて」と頼むのです。
自分の字にコンプレックスを持っているだけに、嫌々ながら書き始めた臨書だったけれど、いざ実際に書き上げてみると自分でもびっくりするほどのうまさ。驚いているヒロインに、部長が「これがあなたの実力なのよ」と諭すのでした。
自分の成長って、成長しているさなかだから自分ではなかなか気づかなかったりするんだけど、一度立ち止まってスタート地点から振り返ってみると、思った以上に成長していたりすることもある。責任感の強いひとほど「自分はまだまだ」と思い込んでしまってよけいな重荷を背負ってしまいがちなんだけど、一度ゆっくり立ち止まって自分が何をしてきたか、なにを学んできたかを振り返り、自分の成長を客観的に知ることもとても大事なことだなと痛感させられるエピソードです。
あと3日!
「おまえのいいとこ、ひとつみっけ」【電影少女/桂正和】
このブログは私的にライフワークでありますので今後も気が向いたときにさらっと書き綴るのです。
あまりの過激さに第5巻は内容を大幅に修正されることで話題となった電影少女ですが、内容的にはいたってまじめで心打たれる描写も多々あります。その中でも好きなのは第1部主人公である天野あいのこのセリフ。ピュアな心の持ち主にしか見えないレンタルビデオショップで女の子のビデオを借りると、女の子がビデオガールとして現実世界に現れ、借り主をいろいろとはげましてくれるのですが、主人公の元に現れたあいは主人公の行動の中からいいところを見つけるたびにこのセリフを発するのです。
人はついつい他人の悪いところが目に付いてしまうこともあるけれど、人のいいところを単に受け止めるだけでなく、自ら積極的に見つけていく、という視線は人と人とのコミュニケーションにとっても大切なこと。所詮他人は他人で理解しあえない存在かもしれないけれど、そんな中でも相手のいいところをちゃんと見抜いてそれをフィードバックしていける人はとってもステキな人だと思います。
しかし今のジャンプの過激さはあのころから比べるととんでもなレベルに達したな……。
『要は「1つになる」という事』【ヒストリエ/岩明均】
半年ぶりにこんにちは!
というわけで今回はあの名作「寄生獣」に肩を並べるかもしれないくらいの人気作であります「ヒストリエ」第6巻からの一言。
まだあぶみ(馬に乗るときに足を乗せる部分)がなかった時代、主人公は夢に見た乗馬のシーンをヒントにしてオリジナルのあぶみを作りだし、今まで以上に馬をうまく乗りこなせるようになる。せっかく作ったその道具を仲間にも使わせようとする主人公に対し、主人公たちに馬の乗り方を教えるメナンドロスはその道具を使うことをやめさせようとする。
メナンドロス曰く、「軍隊で大事なのは個々ではなく集団である」とのこと。彼によれば能力の傑出した兵士が3〜4人いる部隊と、1人だけ能力が劣った兵士がいて、全員がその兵士に合わせた動きをとった部隊が戦うと、不思議に後者のほうが部隊として強いのだと。そして、は「1つになる」ことが大事なのだと言うのです。
スポーツでも「名選手は名監督ならず」という言葉があるように、能力が高いことはもちろん重要だけれど、それが組織の中できちんと一体化できないのであればむしろ歯車がうまく回らない、というのは社会生活においても実感するところ。優秀な人からするとついつい「何でこんなこともできないんだ!」といらだってしまうこともあろうけれど、組織として動くには全体のバランスが必要よね。
似たようなことは本ブログでもちらっと書いたんだけど、自分が大学の頃参加していたテニスサークルでは、まったくの初心者で参加した自分や数人の同期に対し、神奈川ベスト16だのインターハイだの団体戦で全国出たことがあるだの、半数以上が圧倒的にレベルが高いメンバーで、1年のうちに半分くらいのメンバーがレギュラーとってしまうほど戦力が高かった。
それに対して1つ下はテニス経験者のほうが少なく、経験者自身のレベルも圧倒的というほど高くなかったんだけど、そのぶん同期同士で、対等に戦えるのか練習もすごく熱心で、結果としてうちの同期のレギュラーを倒すような初心者も現れたり。同期が強すぎてまともにサーブも受け止められなかった自分は、1つ下がうらやましく思えたものです。
社会に出てからも大学のサークルで学んだ人間関係や団体生活というのはいろいろ役立ってるなあと今も思うんだけど、個人の能力ばかりに頼り切ることなく組織のバランスを考えることの大事さは、あの時の経験が活きてるなあと思う次第なのでありましたとさ。
「あいつもまた3年間がんばってきた男だった」【スラムダンク/井上雄彦】
ごぶさたしてます!
久々の更新はみんな知ってるあの名作から。「先生、バスケがしたいです」「あきらめたらそこでゲームセットだよ」など、名言には枚挙にいとまがないこの作品ですが、一番好きなのはこの台詞。
インターハイ予選の決勝リーグ、陵南は湘北のエース流川ばかりをマークし、桜木にボールが回ったときも監督が流川の重点マークを指示。その結果として、陵南の視野にも入っていなかったノーマークのメガネくんこと小暮が桜木のパスを受け取り、見事試合を決定づけるスリーポイントを決めるのでした。
スリーポイントの成功率なんて運と言われてしまえばそれまでだけれど、3年間努力し続けていたからこそあのスリーポイントが決まったんだと思いたいし、そうして努力を続けることの大事さを結果で表してくれたメガネくんは、脇役萌え要素を持つ自分としても最高に感動したシーンでした。
「恋ってのはな、そいつといても楽しくないってことだよ」【ちはやふる/末次由紀】
マンガ大賞2009を受賞したこのマンガ。かるたを題材にしつつ熱血を描くあたりは「とめはねっ!」っぽい感もありますが、こっちのほうが熱血要素が強い。かるたに夢中になり、仲間と一緒にかるたを勝ち抜くストーリーそのものも面白く名言はいっぱいあるんですが、打ち抜かれたのはこの言葉。
主人公の千早へ密かに思いを寄せる太一だけれど、千早はかるた一色で恋なんてまったく考えもしない。千早と再会する前に恋人ができていた太一に、千早は気軽に「恋ってどんなのよ」って質問すると、太一はタイトルのよう答え、「思いどおりにすすまない、楽しくない。でも、そばにいたい」と思うのでした。
なんかもう青春ど真ん中すぎる発言ですが、好きだからこそ辛いってことあるよね。その人の一挙手一投足が気になってしまったり、何気ない発言の裏を読んでしまったり、他の人と仲良くしていると不安に思ってしまったり。懐かしい感情をなんだか揺さぶられた感じがして思わず衝動エントリーであります。
あの頃は純粋だったよねえ・・・・・・。