『要は「1つになる」という事』【ヒストリエ/岩明均】
半年ぶりにこんにちは!
というわけで今回はあの名作「寄生獣」に肩を並べるかもしれないくらいの人気作であります「ヒストリエ」第6巻からの一言。
まだあぶみ(馬に乗るときに足を乗せる部分)がなかった時代、主人公は夢に見た乗馬のシーンをヒントにしてオリジナルのあぶみを作りだし、今まで以上に馬をうまく乗りこなせるようになる。せっかく作ったその道具を仲間にも使わせようとする主人公に対し、主人公たちに馬の乗り方を教えるメナンドロスはその道具を使うことをやめさせようとする。
メナンドロス曰く、「軍隊で大事なのは個々ではなく集団である」とのこと。彼によれば能力の傑出した兵士が3〜4人いる部隊と、1人だけ能力が劣った兵士がいて、全員がその兵士に合わせた動きをとった部隊が戦うと、不思議に後者のほうが部隊として強いのだと。そして、は「1つになる」ことが大事なのだと言うのです。
スポーツでも「名選手は名監督ならず」という言葉があるように、能力が高いことはもちろん重要だけれど、それが組織の中できちんと一体化できないのであればむしろ歯車がうまく回らない、というのは社会生活においても実感するところ。優秀な人からするとついつい「何でこんなこともできないんだ!」といらだってしまうこともあろうけれど、組織として動くには全体のバランスが必要よね。
似たようなことは本ブログでもちらっと書いたんだけど、自分が大学の頃参加していたテニスサークルでは、まったくの初心者で参加した自分や数人の同期に対し、神奈川ベスト16だのインターハイだの団体戦で全国出たことがあるだの、半数以上が圧倒的にレベルが高いメンバーで、1年のうちに半分くらいのメンバーがレギュラーとってしまうほど戦力が高かった。
それに対して1つ下はテニス経験者のほうが少なく、経験者自身のレベルも圧倒的というほど高くなかったんだけど、そのぶん同期同士で、対等に戦えるのか練習もすごく熱心で、結果としてうちの同期のレギュラーを倒すような初心者も現れたり。同期が強すぎてまともにサーブも受け止められなかった自分は、1つ下がうらやましく思えたものです。
社会に出てからも大学のサークルで学んだ人間関係や団体生活というのはいろいろ役立ってるなあと今も思うんだけど、個人の能力ばかりに頼り切ることなく組織のバランスを考えることの大事さは、あの時の経験が活きてるなあと思う次第なのでありましたとさ。