カイ辞典 二刷

特定のテーマを掘り下げるブログ。ゲームとマンガ中心に、心に残るマンガのセリフをつらつら綴りつつ、最近はプログラムのメモ帳として活用することに。 ※マンガのセリフは脳内の記憶から書き出しているため正確な文章ではありません、あしからず

「料理が人の上に立つことはありません」【美味しんぼ/雁屋哲・花咲アキラ】

 このブログがなかなか進まない理由の1つに、できるだけ台詞は1つの作品から1つにしようというルール設定してたからなんだけど、それ考えすぎてエントリが進まないより、とりあえず思いついたらエントリする方向に変更しました。なのでおそらく美味しんぼの台詞が大変な勢いで増えそうな予感です。

 それはさておき今回は究極対至高の生肉対決。審査員の中に馬主がいるにもかかわらず、対戦相手の兄弟に花を持たせるためにわざと馬肉の料理を出した山岡士郎。士郎をかばう唐山陶人に対し、審査員の1人がこの台詞を叫ぶのでありました。

 子供の頃にはじめて読んだときは「馬主だとか関係なく一番うまいのが馬肉だったらそれだすべきだろ」と思っていたんだけど、大人になって改めてこの言葉考えると、あの頃とはまったく違う感想になっている自分に気がついた。

 料理を技術に入れ替えるとわかりやすいかもしれないけれど、技術がいくら進歩していままでできなかったものが可能になったからといって、人の心を傷つけてまでそれをやっていいものか。Google ストリートビューもそういう問題をはらんでいるだろうし、身近なところではホームページへのリンクやブックマーク問題だって、本人がいやだと言っている以上それを尊重すべきであって、「技術的にはすべてのWebがリンクしていい」という理屈が先に立つものじゃないよなあというのが私の考えです。

 美味しんぼに話を戻すと、海原雄山は究極の芸術を追い求めることで家族を犠牲にし、そんな雄山を山岡士郎は激しく憎んでいたんだけど、わざと負けるためとはいえ究極を追い求めるあまりに馬が大好きでしょうがない馬主に対して馬肉を差し出すという行為は、実は雄山と同じ行動をとっていたんじゃないかというメタな展開としてもなかなか奥深いエピソードのように思いますはい。

美味しんぼ (18) (ビッグコミックス)
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